【マリンバスタジオ日記】マリンバ所作の美しさ

立川のマリンバスタジオアダージョです。
前回マリンバの所作について書こうとして
結局は途中となっていました。

私はマリンバ奏者としては
一経験者でしかありませんが
そんな立場からでも
演奏の立ち振る舞いを見て
何かとても惹かれてしまう方がいらっしゃいます。

共通するのは
とても自然体に見えること。
そして体の自然な仕草のまま
自重というか重みや重力を
上手に使って演奏されるように見える部分です。


「肘から指先まで
  下半身も含め体全体を使って
   演奏は行われている」

というのは
AT(アレクサンダーテクニーク)レッスンで
私がよくご指摘いただく点です。

歌以外は本当に不慣れで
ピアノにしろアイリッシュハープにしろ
指先や手首などばかりに意識がいって
体全体のその層みたいなものには
全く触れないような動きをしてしまいます。

けれど。


重力や体全体を意識下に置けるようになると
なんだか所作が緩やかになるイメージで。
そのゆっくりさ故に
いつも癖で弾いてしまうその手前で
立ち止まる『スペース』を見つけられます。

大好きなAT教師トミーさんがいう
「定義の保留」という言葉。
それが私にとってはそのスペースに
立ち止まっていられることかなと思います。

「どうしていつもここでミスタッチをしてしまうのだろう?」

そんな問いにそのまま答えようとして
私たちはいつもループにハマります。
トライをし続けることで
そこにもまた癖由来の問題が生まれてきます。

問い直すべき場所は
音を出すもっと前のような気がします。

以前マリンバ奏者の方がATを受けていて
マリンバ自体はなくエアーマリンバでの状態。
それでもその仕草や動き自体で指摘できることがあって
見ているこちらも体の動きで揺れる空気が
なんともたおやかになるのを感じました。

マリンバは鍵盤の数がとても多く
マレットという長いバチを持っての演奏。
ミスタッチや音の響きなど
きっとご苦労をされていることと思います。

そして木のままの打面を叩くことで
絶妙な音量、音色を作り上げるなんて
本当に難しいことをみなさんはされている。

もはやこの時点ですごいんだ、と思いますが
その先を目指される数時間にわたる練習。
その姿を間近に見ながら大変に尊敬の念を
抱いております

取り止めのない文章になりました。
何かのエネルギーの種になれば幸いです。

マリンバスタジオアダージョ 稲垣